業界別生涯賃金ランキング

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就職活動や転職活動を行う時に働きがいとともに気になるのが給与・年収の金額だと思います。新卒学生にとっては初任給の金額、転職の場合は転職前と転職後の給与の金額が気になるとは思いますが、それだけで大丈夫でしょうか?輪切りのその瞬間の収入だけではなく、中長期的にどの程度のキャッシュフローが得られるか、もしくは生涯その企業にいた場合にトータルでのリターンが本当は一番大切なはずです。今回も賃金構造基本統計調査を利用して業界別の生涯賃金のランキングを作成しました。

賃金構造基本統計調査のカバレッジは?

厚生省の賃金構造基本統計調査は標本調査なので全ての企業を調査しているのではありません。今回は2018年調査を利用していますが、その際のカバレッジは以下の通りです。

産業別標本数

産業 母集団事業所数① 標本事業所数② カバー率(②/①)
C鉱業,採石業,砂利採取業 663 353 53%
D建設業 127,389 2,720 2%
E製造業 175,429 13,039 7%
F電気・ガス・熱供給・水道業 3,494 1,348 39%
H運輸業,郵便業 22,874 2,320 10%
G情報通信業 68,441 4,311 6%
I卸売業,小売業 306,903 10,004 3%
J金融業,保険業 36,783 5,713 16%
K不動産業,物品賃貸業 26,242 4,774 18%
L学術研究,専門・技術サービス業 42,335 2,761 7%
M宿泊業,飲食サービス業 151,713 7,203 5%
N生活関連サービス業, 50,960 5,389 11%
O教育,学習支援業 35,807 4,840 14%
P医療,福祉 196,287 3,910 2%
Q複合サービス事業 8,043 1,628 20%
Rサービス業(他に分類されないもの) 79,468 7,890 10%
合計 1,332,831 78,203 6%

(出典:平成30年賃金構造基本統計調査

全体の事業所数が130万社を超え、全体ではカバー率は6%程度ですが、大企業(従業員1,000人以上)については以下の通り、

企業規模別標本数

従業員数 母集団事業所数① 標本事業所数② カバー率(②/①)
15,000人以上 2 2 100%
5,000〜14,999人 52 47 90%
1,000〜4,999人 1,451 945 65%
500〜999人 3,436 1,931 56%
100〜499人 50,289 10,006 20%
30〜99人 220,299 20,313 9%
10〜29人 669,074 33,359 5%
5〜9人 388,228 11,600 3%
合計 1,332,831 78,203 6%

(出典:平成30年賃金構造基本統計調査

今回、調査対象とする大企業については約65%のカバレッジとなっている事が分かります。

日系企業業界別生涯賃金ランキング

さて、調査のカバレッジがわかったところで、業種別の生涯賃金のランキングを作成してみました。試算の方法はこちらと同じです。年齢階層別のボーナスを含む賃金が入手できているので、22歳である企業に就職して60歳で定年退職をするケースを想定します。(統計値は大学院卒者も含みますが、この統計値を使い22歳から計算します)賃金構造基本統計調査で得られた賃金カーブを利用して年齢ごとの賃金を加算します。

業界別生涯賃金ランキング(大卒・大学院卒、従業員1,000名以上企業)

ランク 業界 生涯賃金(万円) 人数(人)
1 鉱業 41,283 1,560
2 建設業 34,339 341,500
3 金融業 34,267 717,660
4 不動産業 32,478 20,290
5 電気・ガス 33,148 115,600
6 製造業 30,979 1,780,670
7 情報通信業 30,126 360,110
8 卸売業・小売業 27,606 1,160,740
9 運輸業・郵便業 25,932 354,300

 

(出典:2018年賃金構造基本統計調査からEd-In作成、上記の人数は中卒以上男女の従業員の人数、退職金は含まない)

第1位は、こちらの記事でも注目した鉱業で退職金を含まないベースで4億超えとなっています。鉱業については、2018年の賃金構造基本統計調査においても1,000人以上の企業となると対象企業が少ないため、いくつかの企業のみのデータを反映していると推測しています。

業界別の賃金カーブは?

賃金カーブ(鉱業・建設・金融・不動産・電気ガス)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(出典:2018年賃金構造基本統計調査からEd-In作成)

鉱業の高さが目立ちます、また鉱業については40代の給与が大きく上昇していますが、やや特定企業の事情に偏っている可能性もあります。(時間外賃金も加算して計算していますので、その影響も可能性としてはあります)。鉱業の特徴は50代後半まで給与カーブが大きく下がらない事です。そのため、高収入な年齢層の累積が寄与しているものと思われます。建設業と金融は3億4,000万円程度と拮抗しています。金融は30〜40代には建設業より給与水準は高いものの、50代以降の役職定年のため大きく給与を下げています。一方、建設業は50代では給与は頭打ちになりますが、金融のように大きく下げることはありません。電気・ガスについては30代までは、他の業種に比べると給与は低いものの、40代後半まで上昇しその後維持され、後半の寄与が大きくなっています。

賃金カーブ(製造・運輸・情報通信・卸小売)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(出典:2018年賃金構造基本統計調査からEd-In作成)

運輸・郵便については50代後半で賃金カーブが低下、その他の業種については概ね右肩上がりの賃金カーブとなっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?厚生省の賃金構造基本統計調査においても、業種別の賃金カーブは示されていますが、大企業に絞って集計し直すと個別業界の事情が良くわかってきます。各業界において具体的にどのような企業が分類されるかについてはこちらで取り上げました。現在の賃金カーブが将来に渡り維持される訳ではないのですが、企業としても終身雇用的な制度を維持しているため、また同業他社の動向を睨みながらであると大きく変化することは考えにくのではないでしょうか?大学生が就職を考えるにあたり、企業選びを一つの投資と考えるのであればこうした業界の特製を知っておく必要があるでしょう。また、業界を超えての転職をする場合も同様です。

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